「インデックス投資はおすすめしないって言われるけど本当?」
「どんな失敗例やリスクがあるの?」
「数が多くて選ぶのが大変そうだけどれを選んだらいいの?」
インデックス投資は個別株と比較して動きが緩やかな傾向があり、投資初心者におすすめの手法として紹介されています。
一方で「インデックス投資はおすすめしない」という意見を聞いて不安を感じているのではないでしょうか。
そこで本記事では、金融機関で18年の勤務経験をもつ筆者が、以下の内容を解説します。
この記事では、
- インデックス投資とは
- インデックス投資はおすすめしないと言われる4つの理由
- インデックス投資をおすすめしない人が陥った失敗3選
- インデックス投資の魅力3選
について解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、インデックス投資の特性を理解して、自分に適した投資方法なのかを見極めましょう。
インデックス投資とは?概要を30秒でサクッと解説

インデックス投資とは、市場の値動きを示す指数(=インデックス)の値動きに連動を目指す投資手法です。
たとえば「日経平均」という指数であれば、構成する225社の企業全体の値動きが反映されています。つまり「日経平均株価連動のインデックス投信」を購入するだけで、225社の企業全体に分散して投資が可能です。
他にも代表的な指数として以下のようなものがあります。
- 日本株式:TOPIX、日経225
- 米国株式:NYダウ、S&P500
株式以外にも債券や不動産に連動するものもあり、組み合わせることで簡単に分散投資が可能です。
インデックス投資はおすすめしないといわれる4つの理由

なぜ、インデックス投資をおすすめしないといった意見が出てくるのでしょうか。考えられる理由は以下の4つです。
- 個別の銘柄と比べると値幅の変動が狭い
- コストがかかる
- 元本が割れるリスクがある
- 分散させても短期的なリスクは低くならない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.個別の銘柄と比べると値幅の変動が狭い
株価は日々変動するものです。日々の業績発表やニュース、決算情報等によって、業績が上がると考える投資家が多ければ株価は上がりますし、逆の場合であれば株価は下がります。
その流れにうまく乗った投資ができると短期間で大きく利益を出すことは理論上は可能です。上がる銘柄だけ保有したいと考える人から見ると、日経平均全体に分散投資してしまうのは効率が悪い、といった意見が出るのは当然です。
ただし、これは日々の値動きやニュースを常に追っているプロのトレーダーや機関投資家向けの手法です。
個別の銘柄に集中して投資をしていると、その会社が経営危機に陥れば、資産が大きく減ってしまうこともあります。しかし、インデックス指数全体に投資をしていれば、1社の影響が小さくなり、資産を大きく減らしてしまうリスクが小さくなります。
目的や個人のスキルによって、投資手法の最適解は変わります。情報を発信している人の立場や知識量を確認したうえで、意見を参考にしましょう。
2. コストがかかる
インデックス投信を購入する際にかかるコストについてみていきます。
- 購入時手数・・・購入するときにかかる費用
- 信託報酬・・・投信を保有するだけでかかっている費用
- 信託財産留保額・・・投信を解約するときにかかる費用
コストがかかるのは間違いありませんが、コストがかかるという理由だけで投信を敬遠するのはもったいない話です。なぜなら、インデックス投信はこのコストが安価に設定される場合が多いからです。この件は後ほど触れていきます。
3. 元本が割れるリスクがある
インデックス投資は値幅が小さく、個別銘柄よりも急激な変動が起きにくい手法ですが、指数全体に大きな影響を及ぼすイベントがあると一気に元本割れを起こす可能性があります。大きな災害や事件・世界的に影響が大きい戦争などによって、指標そのものが暴落するのは決して珍しくありません。
とはいえ、20〜30年単位で見れば過去最高値を更新し続けているインデックス指数もあります。暴落してもコツコツ投資していれば、長期的には収支がプラスになる可能性が高まります。
運用は上がり下がりを繰り返していくのが普通です。「元本が割れる=悪」の図式を頭から払しょくすることが必要です。
4. 分散させても短期的なリスクは低くならない
株価暴落時は分散投資の意味がないといった意見もあります。1989年、3万8915円の史上最高値のところからの大暴落(バブル崩壊)を代表するように日経平均株価全体が大暴落した場合がそうですね。

ただし、個別銘柄であれば下がったまま倒産し、株が無価値になるリスクがあります。一方で、指標全体が下がり続けることは資本主義経済が継続する限り、考えにくいでしょう。指数全体がゼロになる可能性は限りなく低いといえます。
このように、日本全体の経済が大ダメージを受けてしまうといくら分散投資をしていても短期的には暴落します。
指数全体に分散投資をすることは、長期的なリスクを抑えるのに効果的であり、短期では個別銘柄と似たような動きをするものだと考えましょう。
インデックス投資をおすすめしない人が陥った失敗3選

インデックス投資をおすすめしない人が陥った失敗例は次の3つです。
- 選択を間違える
- 価格変動に耐えられずに売ってしまう
- 売り買いを繰り返す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.選択を間違える
よくある間違いは、ネットで評判よかったから、雑誌でおすすめされていたからなど、自分の意見を無視して選んでしまうことです。
自分で選んでいないと、少し下がっただけで「こんなはずじゃなかった」と早々と見切りをつけて売却してしまうでしょう。損をした経験だけで撤退すると投資自体に嫌悪感を抱くことにもなりかねません。
長期保有するためには、以下の3つを意識しましょう。
- 運用期間
- 目的
- 期待するリターン
一つ一つ丁寧に、自分で決めることが大切です。
2.価格変動に耐えられずに売ってしまう
注意しなければいけないのは、暴落するとあわてて売却してしまういわゆる狼狽(ろうばい)売りです。「どうしたらいいんだろう、これ以上下がったら大変だ。その前に売らないと。」といったマインドになりやすいので注意が必要です。
暴落時は売り一辺倒です。明るい材料がないといったムードに満ちているので、冷静になって、一歩退いて俯瞰してみてみることも大切です。
たとえば米国株式のインデックス指数のひとつであるS&P500は、今まで何度も暴落がありました。暴落から復活まで期間はまちまちですが、最高値を更新し続けてきています。必ず復活しています。暴落しても「いずれ元に戻るだろう」と、どっしりと構えることも大切です。
3.売り買いを繰り返す
中身をよく吟味せずに買ってしまうと「今はこれじゃないかもしれない」と感じたり、誰かのいいなりになったり、情報を鵜吞みにしたりして、銘柄をコロコロ変える人もいます。このようなことを避けるためにも、やはりルールを決めることが大切です。
おすすめしないのは本当?インデックス投資の魅力3選

「おすすめしない」という意見もありますが、インデックス投資ならではの魅力もあります。代表的な魅力は以下の3つです。
- 少額から購入できるので分散しやすい
- あらゆるコストが安価である
- 基本的に日々の値動きを意識しなくてOK
順番に見ていきましょう。
1. 少額から購入できるので分散しやすい
個別の株を保有する場合はまとまった資金が必要ですが、投資信託であれば100円から購入できます。これだけお手軽であれば、まとめて購入がしやすいので投資対象を分散できますね。日本株と米国株のインデックス投信を同時保有するのもたやすいことです。
また、分散には時間の分散という概念もあり、仮に今の日経平均株価が高いと感じたら数か月かけて保有数を増やしていくといった考え方もできます。
2.あらゆるコストが安価である
投資信託にはさまざまなコストがかかりますが、実は投資信託の中でもインデックス投信はコストが安いのです。
購入時手数料 | 投信を購入するときにかかる費用。インデックス投信にはかからないことが多い。 |
信託報酬 | 投信を保有しているときにかかる費用。インデックス投信はアクティブ投信(注)に比べると金額が安いものが多い。 |
信託財産留保額 | 投信を解約したときにかかる費用。多くのインデックスファンドにはかからない。 |
(注)投信は、ファンドマネージャー(運用のプロ)が一般の投資家に代わって株や債券などに投資をし、その成果を投資家に還元する投資商品のことをいいます。ファンドマネージャーがいい成果を目指し、銘柄を選び投資を行います。この銘柄選びや銘柄入れ替えを積極的に行うものをアクティブ投信と言います。
3.基本的に日々の値動きを意識しなくてOK
株の個別銘柄を保有していると、細かな情報や、決算情報等を気にする必要があります。インデックス投資であれば、日々、値動きを意識する必要はありません。毎日チャートを見て一喜一憂しなくていいので気楽に取り組めます。毎日数字を気にせず、週一回、一か月に一回といったようにあらかじめ決めておけば、負担に感じることも少ないはずです。
将来の資産がどうなっていくのか楽しみに待つ、といった感覚でいいのではないでしょうか。
【厳選】初心者におすすめのインデックス投資先3選

初心者におすすめの投資先は次の3つです。
- 米国株式
- 世界株式
- 日本株式
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.米国株式
インデックス指数 | 特徴 | おすすめ度 |
NYダウ | 米国を代表する3銘柄 | ◯(世界的に有名な企業に投資できる) |
S&P500 | 米国の大型株500銘柄 | ◎(パフォーマンスとリスクのバランスが良い) |
NASDAQ100 | ナスダック株式市場に上場する大型株(ハイテク企業やIT関連の企業など、新興企業の割合が多い) | △(値動きが大きい) |
米国株式には主に、NYダウ、S&P500、NASDAQ100のインデックスファンドがあります。
NYダウは米国を代表する30銘柄、S&P500は米国の大型株500銘柄、NASDAQ100は、ナスダック株式市場に上場する大型株で構成されています。
なお、おすすめの銘柄は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
おすすめの理由は以下の3つです。
- 少額(最低金額100円)から投資できる
- 米国の主要大型株に銘柄分散できる
- 円で投資できる
S&P500は投資先として日本だけでなく世界的にも人気のある指標です。インデックス投資の入門としてぜひ検討してみてください。
2.世界株式
世界株式インデックス投信は、日本を含む先進国、新興国への投資で分散投資できます。日本、米国といったように国を限定せず、世界の多くの国々に投資することで、カントリーリスクを減らせます。日本株を含む、含まないで大きく2種類に分かれます。
種類 | 日本株 | ニーズ |
日本株を含む世界中の株への投資 | 〇 | ・1本で世界中の株をバランスよく買いたい |
日本株を含まない世界中の株への投資 | ✕ | ・日本株と海外株は別々に管理したい・日本株は自分で積極的に売買したい |
カントリーリスクとは、特定の国に投資することに伴う投資リスクのことを指します。具体的な例としては、政治的な不安定、経済的な危機、通貨の価値の変動、法的な制約、市場の制約などが挙げられます。
なお、おすすめの銘柄は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
おすすめの理由は以下の3つです。
- 少額(最低金額100円)から投資できる
- これ1本で約50か国に国際分散投資ができる
- 世界株ファンドの四天王と呼ばれるものの一つ
米国や日本に限定したくない、幅広く世界の株式に投資してみたいといった方におすすめします。ぜひこちらもご検討ください。
3.日本株式
東京証券取引所には東証プライム、スタンダード、グロース市場があり、それぞれインデックス投信の設定があります。
東京証券取引所の種類 | 主な特徴 |
プライム | ・株主数800名以上・流通株式時価総額100億円以上 |
スタンダード | ・株主数400名以上・流通株式時価総額10億円以上 |
グロース | ・株主数150名以上・流通株式時価総額5億円以上 |
ただなんといっても、東京証券取引所プライム市場を代表する225銘柄を対象とする日経225のインデックス投信が主流です。日経225の投信の設定は数多くありますが、仕組みは一緒なのでコストの安いもの、純資産総額(預かっている残高)が大きいものを選ぶとよいでしょう。
なお、おすすめの銘柄は、ニッセイ日経225 インデックスファンドです。
おすすめの理由は以下の3つです。
- 少額(最低金額100円)から投資できる
- コストが安い
- 純資産総額(預かっている残高)が大きい
なじみのある銘柄が多いのはやはり日本株ですね。わかりやすさから、まずは日本株の投信から始めたいという方には最初の選択肢になるでしょう。
インデックス投資をするならSBI証券がおすすめ

「インデックス投資はおすすめしない」というのは誤解であり、最初に投資する対象として以下のような魅力があります。
- 少額から購入できるので分散しやすい
- あらゆるコストが安価である
- 基本的に日々の値動きを意識しなくてOK
個別株と比較するとリスクが少なく、少額から簡単に始められるため、初心者にはとくにおすすめの投資商品です。
ぜひこの記事を参考に、まずは少額でもよいのでインデックス投資を始めてみましょう。
なお、インデックス指数に投資するには証券会社の口座が必要です。おすすめの証券会社は、ネット証券大手のSBI証券です。
SBI証券は口座開設数約1000万を誇り、手数料の安さは業界トップクラスです。取扱投信の本数はネット証券トップの2,715本。ノーロードファンド(購入時手数料のかからない投信)の数もネット証券トップです。
ネットでお申し込みができますので、この機会にサクッと口座開設することをおすすめいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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